投資信託の値下がりや損失をチャンスにするたった1つの方法(リバランス)
こんにちは!
あなたは健康診断を毎年受けていますか?
定期的に受けているあの健康診断は言うまでもなく、身体の中でどこかに異常な箇所が無いかのチェックをするためのものですね。
そして異常が発見されたり、数値が高くなったりした箇所に関しては、再検査に行ったり治療したり、日常の食生活を改善したりと、その異常を無くそうと行動をしますよね。
この定期的な健康診断、実は家計の資産状況にも定期的な診断が必要なのです。
【関連記事】
投資信託を始めたいけどどの商品が良いの?投資信託選びのポイント(初心者向け)
銀行の窓口で勧められた金融商品(投資信託・保険)は信用できる?
目次
1. 家計の資産状況にも定期的な診断が必要?
以下の様に、あなたの大切な資産を守るためには、定期的にこんな事を簡単にチェックしてみてください。
・この一年間で貯金は減ったのか増えたのか。
・増えたならどのぐらい増えたのか。
・この1年間、お金を使いすぎたのではないか。
・将来に向けての資金計画は、計画通りに順調に進んでいるか。
・資産全体に対するリスクの度合いは適正に保たれているか。
・リスクを取りすぎたり、逆に守りすぎたりしていないか。
・低金利の預貯金だけになっていないか。
こういった視点で、資産を管理するにも定期的な診断が必要なのです。
このチェックをしたお客様からよくあるご相談が、
『以前からやっていた投資信託で損失が出てるんですが、これをどうしたらいいのか分からず、そのまま寝かせて塩漬けにしてるんです』というもの。
これはまず今投資している商品が『良いものであれば』という前提ですが、以下の様な考え方で検討します。
2. いくつかの資産に分けて運用する
この記事を読んでおられるあなたが弊社のお客様の場合は、既に資産運用をされている方も多いと思いますが、銀行に預けても全くお金が殖えないこの低金利時代に、私はいつもお客様には一部の資産を少しのリスクを取って資産運用することをオススメしています。
全ての資産を資産運用するのはオススメしませんが、一部の資産を運用する事をオススメしています。
そして資産運用する商品には、リスクが高いが大きなリターンを目指すものや、そんなに大きなリターンは期待出来ないけどリスクが非常に低いものなど、多くのリスクレベルの金融商品が有ります。
そういった金融商品ですが、私は資産運用の中級者・上級者の方には個別銘柄に集中投資をオススメする事も中には有りますが、基本的に初心者の方には、何か一つに全ての資産を預けるのではなく、いくつかの資産クラスに分けて分散投資する事をオススメしています。
3. 分散するバランスがとても重要
そしてその資産のバランスがとても重要になる事は言うまでもありません。
例えば、資産全体のうち、
● 6割を先進国株式の投資信託
● 4割を先進国債券の投資信託
といった風に、初心者の方には株式と債券など、資産クラスを分けてそのバランスを守ってリスクヘッジしながら分散投資する事をオススメしています。
一般的に株式はリスク資産、債券は安全資産と呼ばれ、その値動きは教科書通りなら逆の値動きをするのが一般的です。
例えば100万円を投資するとしたら、60万円を先進国株式投資信託、40万円を債券投資信託といった具合ですね。(※ここではあくまでも例題としてお話しているだけで、お客様によって商品内容やこの割合は変わります)
さて、この6:4の割合で資産運用をスタートしたとして、その後ずっとこのまま放置していても良いでしょうか?
実はそんな事は有りません。
4. バランスが崩れたら元に戻す『リバランス』
証券系の商品で分散投資をしていく場合は、リアルタイムで時価が上がったり下がったりするものなので、定期的なチェックは必要になります。
運用をスタートしてから月日が経つと、このバランスがだんだん崩れてくる事がよく有ります。
例えば先ほどの、
● 株式投資信託 6
● 債券投資信託 4
の割合で運用スタートしても、これらは常に値動きしているものなので、このバランスが
● 株式投資信託 7
● 債券投資信託 3
といった具合にバランスが崩れてくる事があります。
そうすると、一般的には債券よりも株式の方がリスクが高いので、運用資産全体で見ると最初のスタート時よりもリスクが高くなっている事になります。
この場合は資産全体のリスクが高くなっているので、このバランスを元々の6対4のバランスに戻してあげなくてはいけません。上がった株式の1を売って6に戻し、下がった債券の1を買って4に戻すという手続きです。そうする事で元々の6対4に戻る事になります。
このアクションの事をバランスを元に戻すと言う意味で『リバランス』と言います。
5. 自動的に高いところで売って安いところで買う簡単な方法
さて、ここで見て頂きたいのは、このリバランスの手続きをする事で自動的にとても有利な事が出来ているのです。
先ほどの例だったら、高くなった株式1を売却して、安くなった債券1を追加で買うという行動になるのです。
という事はこのリバランスというアクションは、高いところで売却して、安いところで買うという事を自動的に行う事が出来るのです。
『え〜〜〜!!なんだか難しい〜〜〜。。。💦』
と今思ったあなた!!
実はこの理屈さえ理解出来れば、これはめちゃくちゃ簡単な手続きなのです。
このリバランスという手続きは単純に上がったものを売って下がったものを買うという機械的な手続きなので、一回一回考えたりする事も無く、数字を入れ替えるだけなのでこれは正直、中学生にでも出来る事なのです。
上がったところで売る事を『利益確定(リカク)』と言います。
下がったところで買う事を『ナンピン買い』と言います。
リバランスはこの両方を自動的に機械的に行うものなのです。こうすると自動的に値上がりしたものは高いところで売る事が可能になりますし、値下がりしたものでも新たに安く買う事が可能になります。
これは理屈さえ理解出来れば、誰もが納得するとてもシンプルで簡単なアクションになります。このリバランスをやるのとやらないのでは、全く同じ商品で運用していても、長期的な結果は大きく変わります。
6. 定期的なチェックはどのくらいの期間でやればいい?
では、このリバランスはいつやればいいのでしょうか。
まず私がオススメしているのは、少なくとも定期的に半年に一回はチェックする事をオススメしています。
『え〜〜!そんな事、私には出来ない!💦』
という様に、チェックすると聞くだけで拒否反応を示す方がいらっしゃいます。
ですがこのチェックは何も難しい事では有りません。お金が殖えたのか減ったのかをチェックするだけなのです。
要するに健康診断の様に、定期的に検査をするのです。
そしてもう一つチェックが必要な時期は、大きな値動きが有った時です。これは相場が急上昇した時や大暴落した様な時です。
資産運用をしていると相場が大きく動く事はよく有ります。
本来は細めな値動きもチェックして欲しいのですが、最低でも相場が10%動いた時は必ずチェックしましょう。今はスマホアプリでログインするだけで簡単に確認できるものも有ります。
何度も繰り返しますが、リバランスは高くなったものを売って、安くなったものを買うアクションです。これは分散投資をしていく上での超基本中の基本になります。
あなたは高い時に買って安い時に売りたいですか?
違いますよね?高いところで売って安いところで買いたいですよね?
それを一回一回考えたりせずに機械的に自動的に出来るのがリバランスなのです。
7. 金融機関の窓口や営業マンは教えてくれない
こんな簡単で基本的な事でも、銀行や証券会社などの金融機関の窓口では教えてくれません。ほとんどの金融マンは、
『新しい今話題の商品はこれです!』とか、
『今はこれが流行っています!』
などと初めから商品ありきのトークで、売りやすい商品の商品説明だけをしてくるケースがほとんどなのです。
こういった資産運用をしていく上での、とても簡単で重要な基礎知識や周辺知識は金融機関では教えてくれません。
ですがこうった知識は、少しずつでも絶対に学んでいった方が良いのは言うまでも有りません。
8. まとめ
この様に、分散投資のパフォーマンスを決めるのにこのリバランスは非常に重要な要素なのです。これを定期的に行う場合と放置している場合では、その結果は雲泥の差になるでしょう。
以下、ポイントをまとめておきます。
・いくつかの資産に分散して運用する
・分散する割合のバランスが重要
・バランスが崩れたらリバランスをする
・リバランスは高いところで売って安いところで買える簡単な方法
・半年に一回と、相場が動いた時は要チェック
もちろん今回の記事でお話した内容は、投資信託や株式、債券などで運用する場合のお話であり、実際にはこの他にももっともっとリスクを抑えた初心者向けで、放置していても大丈夫な金融商品もたくさん有ります。
私のお客様は、
・今はまとまった資産は無いけど、これからコツコツと積立てで増やしていきたい方
・既にある程度のまとまった資産が有るけど、何に預けたら良いのか分からず、そのまま銀行に置いている方
・運用はしてみたいけど、その知識が全く無く何から手を付けていいのか分からない方
などなどいろんな方がいらっしゃいます。
まずはあなたの資産状況や知識レベルに合った商品を慎重に選んで、運用の世界の第一歩を踏み出してみましょう。
伊藤 尚徳
最新記事 by 伊藤 尚徳 (全て見る)
- 新NISAの年間の限度額を超える投資は来年まで待った方がいいの? - 2024年6月13日
- ★ご契約者の皆様へ。※必ずご確認ください。 - 2024年4月9日
- NISA・iDeco・投資信託、いったいどれがいい?インフレ・円安時代の資産運用セミナー! - 2022年10月19日