銀行の窓口で勧められた金融商品(投資信託・保険)は信用できる?

資産運用

『銀行でこんな商品を勧められたんですけど、これってどうなんでしょうか。』

最近、資産運用の相談でこんな事をよく聞かれます。本当にとても多い相談の一つです。

銀行で勧められた商品は果たしてどうなんでしょうか?まずは今現在、銀行が置かれた状況から考えてみましょう。

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1. 日本で今、銀行が置かれた状況

ご存知の方も多いと思いますが、今の日本は超超超低金利です。金利のバーゲンセールの超激安金利です。

これは日本銀行が金融緩和という金融政策を行っているからです。

ここではあまり難しいお話はしませんが、日銀が行っている金融緩和やマイナス金利の影響で、銀行は従来の様に利益を稼ぎにくくなってきています。
そこで銀行はこう言った金融商品(投資信託や保険商品など)の販売にも力を入れ出して、手数料稼ぎにも舵を切り始めているのです。

誤解のない様に言っておきますが、私は銀行が悪いと言っているのではありません。もちろん銀行も一つの事業ですから、こう言った利益を追求する事自体は何も悪い事ではありません。

 

2. お客様の立場から見ると

ですが、これを『お客様の資産を殖やす』という視点から見るとどうでしょうか。

私のお客様が、銀行から提案された金融商品のパンフレットや資料を持って来られるケースがとてもよくあるのですが、それを見てみると、私達(少なくとも弊社のFP)がオススメする様な商品では全く無いケースが多いのです。むしろ、お客様に私がアドバイスする中でよく言う『手を出してはいけない金融商品』のラインナップが含まれている事が非常に多くあります。

もちろん全ての銀行とは言いませんが、今までの経験上では全くオススメできる様な商品ではなかったケースが多いのです。

その中の典型例は、手数料が割高になる『ラップ口座』であったり、一時的に話題になっていて既に高騰している『テーマ型の投資信託』であったり、『手数料が割高な金融商品』だったり、お客様の『知識レベルに照らし合わせて明らかに合わないもの』であったり。。。

これは勧められたのが大手の銀行(メガバンク)か地銀かは関係なく、全てとは言いませんが銀行で勧められた商品ではこういったケースが非常に多く見られますので注意が必要です。

 

3. 金融商品を判断するには

資産運用をする際に、初心者のお客様がその金融商品の内容の理解が出来ていないと、最終的にはその人は、金融機関の窓口の担当者が信頼出来そうかどうかで判断する人がとても多いです。
これは本当にひどい判断です。

当たり前ですが、投資性の金融商品の運用は、その窓口の担当者が運用をしているわけではありません。もちろんその販売をしている窓口の銀行自体が運用しているものでもありません。

あくまでも一般的には、銀行などは販売窓口なのであって、自身で運用をしているわけでは無いのです。投資商品は、お客様から預かった資金を銀行が保管・管理・運用をしているわけではありません。投資性の金融商品は、販売会社と運用会社は別である事がほとんどなのです。(子会社であるケースはありますが。)

お客様が投資商品を判断する際の基準は、もちろん販売会社(今回のケースでは銀行)なども大事ではありますが、それよりももっとお客様が重点的に見ないといけないのは、その先にある運用会社だったり、その運用となる対象(株式や債券、不動産、国や地域など)やその運用手法等なのです。

金融商品を全く理解されずに投資商品を購入する人が、損をした時に言うのはだいたい、

『あの銀行の担当者が言ったから買ったのに。。。』
『あの証券マンは信用できる人だと思ったのに。。。』
『大手の銀行だから信頼してたのに。。。』

などとおっしゃる事が多いのです。ですがそれを運用しているのは、その営業マンではありません。

 

4. 金融商品を判断する4つの最低限の判断基準

投資性の金融商品は基本的に常に価格が値動きしています。一直線に右肩上がりという訳ではないので、時期によっては目減りしていることも勿論ありますし、そこから上昇してくることも十分有るのです。

それが今後上昇してくるのかどうか、といった事は最終的にはある程度は自分で判断しなくてはならないのです。『でも私は金融は今まで全く知らなかったし、そんなの難しそうだし嫌だ』という人には、そういう初心者向けのリスクの少ない商品も有ります。そういったものを選ぶにしても、それが何で運用されていてどんなリスクがあるのかは必ず把握しておきましょう。

実は、資産運用の基本的な金融商品の仕組み自体は、そんなに難しいものではありません
自分から敬遠せずに、少しだけ興味を持ってお話を聞いてみるだけでも少しずつ知識は身についていきます。

この基本的な知識が有るのと無いのでは、商品選びや運用の結果は大きく変わってくるでしょう。投資は知識が無くても出来る事は出来ますが、知識がある場合と比べてその成功する確率は雲泥の差になります。高度な難しい専門的な知識までは無くても、基本的な事を知るだけで、ある程度成功する確率はグンと上がります。

せめて自分がこれからやろうとしているその金融商品が、

① どの国のどんなもので運用されているのか(例:米国の株式など)
② それは何によって値動きするのか(為替の変動、金利の動向、物価の動向など)
③ リスクはどんなものが有るのか(価格変動リスク、為替リスク、流動性リスク、カントリーリスク、信用リスクなど)
④ コストはどのぐらいかかっているのか(販売手数料や信託報酬、為替手数料など)

ぐらいは、少なくとも分かっておくべきなのです。

 

5. 売れる商品と殖える商品は別

私は何も、銀行が勧めてくる商品の全てがダメだと言っているのではありません。
銀行はあくまでも販売会社なので、それを売って販売手数料などで稼いでいるので、売れる商品を販売するのは当たり前なのです。

ですが、売れる商品と殖える商品は別である事が非常に多いのです。

勧められた商品がどんなものなのか、それが自分に合っているものなのか、などをある程度自分自身で判断出来る知識が有るだけで見る世界は全然変わってきます。

金融商品はまず最初は、細かい商品内容から聞くのではなく、投資商品全体の中でその商品が何に分類されるのかなどを必ず把握しましょう。

・ それは株式なのか債券なのか投資信託なのか保険商品なのか。
・ そしてそれはどこの国や地域の何で運用されているのか。
・ それはどんなリスクが有るのか。
・ それは何によって価格が影響を受けるのか。(金利や為替、物価、賃金、消費、税金など)
・ コストはどのぐらいかかっているのか。

を把握できる様にしてください。

 

こういった話をすると、今まで資産運用とは無縁で生きてこられた方からすると、

『え〜〜なんか難しそう。。。』
『私には無理〜〜!!』

という声が聞こえてきそうですね。笑

ですが、実はそんなに難しいものではなく、少しだけ知識をつければこのぐらいは初心者でも未経験でもとても簡単な事なのです。これを知っているからといって必ず成功するものではありませんが、これは投資を行う際の最低限分かっておいた方が良い基礎中の基礎です。

 

6. なぜその商品なのかを把握する

こういった事を把握しておくと、銀行で勧められた商品だけでなく、証券会社や保険会社の営業マン、そしてFP(ファイナンシャルプランナー)が勧めてくる商品も、本当に良いものかどうか、自分に合っているのかどうかも自身で判断が付きやすいかと思います。

少なくとも、『大手の銀行が勧めてくるんだから安心』とか、『あの人はいい人だから悪い商品は勧めて来ないだろう』とか、全くトンチンカンな見当違いの判断はしない様になるかと思います。

私はお客様に投資性の金融商品を勧める場合には、必ずその商品が何に分類されるのかから話して、その金融商品の仕組みや運用先、その運用手法、リスクの種類、そしてコスト面など、初心者でも全て理解してもらえる様に分かりやすくお話しています。

そうすると、あらゆる金融商品がある中でなぜその商品がオススメなのかといった理由が明確になります。

・他と比べてリターンが期待できるから?
・他と比べてリスクが少ないから?
・他と比べてコストが安いから?

銀行から勧められた商品を検討する際にも、保険会社から勧められる保険商品でも、証券会社から勧められるものであったとしても、投資性の金融商品のお話を聞く際には、今日お話した事は最低でも答えられる様にしておきましょう。

そして他の商品と比べて、なぜその商品が良いのかといった理由は簡単にでも分かる様にしておきましょう。

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