『FIRE』早期リタイア・経済的自立をするにはいくら必要?

こんにちは!
あなたはFIREという言葉をご存知でしょうか?
『え?ファイアーって火じゃないの?』
って思った方もいらっしゃるでしょう。
実はFIREというのは、『Financial Independence Retire Early』の頭文字を取ったもので、直訳すると経済的に自立して早期リタイアを目指す生き方です。
欧米を中心にこれまでの働き方を大きく変える生活スタイルで、20〜30代の若者を中心に世界各国で急激に増えています。
これは一般的に言われる早期退職とよく似ていますが、少し違います。
早期退職の方は定年よりも早く退職をする事で勤め先の会社から割増しで退職金を受け取り、その資金を切り崩しながら年金と合わせて生活していくスタイルです。
ですがこのFIREというのは、早期に資産を貯めて、その資金は切り崩さずに投資で得た配当などの利益で生活をして資産を減らさない生き方です。
まさに早期の経済的自立です。
もしこのFIREが達成されたら、あなたはどうしますか?
仕事はしてもいいししなくてもいい、もちろんお金のためにやりたくない仕事なんてしなくていい、という自由が得られます。
もちろん仕事を辞めるとその分、大幅に自由な時間も増えます。
『そんな夢みたいな話は有り得ない、一部の資産家だけの事でしょ?』
そんな声が聞こえてきそうですね。
ですがこのFIREという生活スタイルは、まだ日本では少数では有りますが、実際に達成している人もいらっしゃいます。
私のお客様や周りの友人にも既にFIREした人は何人かいます。
こういうお話をすると、まず一番初めに出てくる質問は『じゃあいったいいくら有ればFIRE出来るの?』というお声です。
今日は実際にそれを簡単に計算してみましょう。
FIREを目指している訳ではない方も、こんな考え方が有るという一つの生き方の選択肢を知っておく事に損は無いと思います。
まず、経済的自立というのは、資産を減らさない(切り崩さない)で生活する生き方の事です。
ですので、人によって生活費が違うので、このFIREに必要な金額も変わってきます。
欧米で一般的な目安になっているのは、年間の生活費の25倍という金額です。
●毎月30万円で生活をするなら、30万円×12ヶ月×25=9000万円
●毎月25万円で生活をするなら、25万円×12ヶ月×25=7500万円
●毎月20万円で生活をするなら、20万円×12ヶ月×25=6000万円
という計算になります。
この25倍が欧米の若者達の大まかなFIREの目安になっている様ですが、人によってこの金額は全く違います。
ここで大事なのは、このFIREというのはこの貯めた資金を切り崩しながら生活をする訳ではないという事です。
通常、老後資金を考える時は、毎月の生活費を決めて、それが年金で足りない部分を預貯金から引き出して、切り崩しながら生活するイメージになるかと思いますが、FIREはこの資金を投資してそこから得られた配当などの利益で生活をするので資金を減らしません。
その状況を40代などの早期に叶えてしまうのです。
でも本当にこの金額で一生の生活費を賄っていけるのでしょうか?
欧米でのFIREの基本は、この資金を年間4%で運用するイメージです。
そうすると先ほどの例でしたら、7500万円が有れば4%で資産運用が出来れば、年間300万円の利益(税引前)になります。
日本ではこの利益から、20%の税金が引かれますから、手取り240万円という事になります。
という事は、日本では7500万円の資金を元にFIREしたとしたら、年4%の利益で月20万円の生活という事になります。
もしここから家賃などの住宅費がかかるなら、そんなに裕福とは言えない生活ですかね。
住宅を買ってローンが終わった方や、実家暮らしで住宅費がかからない方はこれでも暮らしていけるかもしれません。
日本では株式や債券、投資信託などの資産運用で得た利益に対して税金が20%かかりますので、4%ではなく、もう少しリターンを見込む必要が有ります。
実際には年5%で運用して、手取り4%というイメージですね。
1億円の資金を貯めると、5%で運用すれば年間500万円の利益(税引前)。手取りで400万円になります。
これを目安にFIREする人もいらっしゃいます。
もちろん年7%など、もっと高利回りで運用出来ればもっと良い生活が出来ますね。
ですが、お金というのは貯めても貯めてもなかなか不安は尽きないものです。
最初に、まずは1000万円貯めようと決めて頑張ってそれを到達したとしても、実際には1000万円では全く安心感は無く、次は3000万円を目標に貯めるのですが、それを到達すると次は5000万円無いと不安になって、結局1億円を超えてもなかなか不安は解消しきれないものです。
数値上の計算ではFIRE出来る人でも、感情面でまだまだ不安だと言って結局FIREせずに働いて、お金を増やすだけ増やしながら暮らす人も多いですね。
何も必ずFIREしないといけない訳では有りませんし、これはその人の価値観や人生観です。
ソフトバンクの孫さんや、テスラのイーロンマスク氏など、お金がいくら有っても関係なく仕事を生きがいにしている人や仕事で夢を追いかけている人などもいらっしゃるので、FIREすることが必ずしも一番幸せな人生とも限りません。
ですが、仕事でストレスを抱えて嫌な仕事に通いながら大半の人生を苦労と大きなストレスで暮らしている人も多いのは事実です。
広い世界にはFIREというこんな生き方も有るのです。
どれが正しいというよりも、生き方の選択肢のお話ですね。
あなたはFIREについて、どう思いますか?
今日はFIREとは何か。そしてそれを叶えるのにはいくら必要なのかを計算してみました。
こんな人生も悪くないですよね。
ではまた!

伊藤 尚徳

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