投資信託を始めたいけどどの商品が良いの?投資信託選びのポイント(初心者向け)

資産運用

こんにちは!
今日は最近よくある相談の中で、『投資信託の選び方』のお話です。

私が普段のFP(ファイナンシャルプランナー)の仕事でお客様からのご相談を受ける中で、ここ数年間、『貯蓄から投資へ』というキャッチコピーで、国の後押しも有り、以前に比べてだいぶ資産運用(投資)が浸透し出してきた感じが有ります。

NISAiDecoなどの非課税制度などのスタートで、たくさんの人達がこれらをやり始め出した事で、今まで投資や資産運用に興味がなくて無関心だった人たちや未経験の人たちがどんどん資産運用を始め出しています。

周りがやり始めるとなんか焦っちゃうんですかね。
でもこれはそのご本人にとって非常に良い事だと思います。

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1. みんなが困っているのは商品選び

運用未経験や初心者の人達の中で、ほとんどの人達がまず最初にぶち当たる壁は紛れもなく『商品選び!』なのです。

これだけ金利が低い状況の中で、預金だけでは全然お金が増えないので、何かの資産運用をしなくてはならないのは何となく分かっている方でも、

『実際にどんな商品で運用をしたらいいのかを自分で判断しきれない!』

『資産運用をやる気は有っても商品が選べずに一歩進めなくて止まってしまっている』

という方が本当に多くいらっしゃいます。実際この記事を読まれておられるあなたはどうでしょうか。まさに私の事だ!と思った方も多いのではないでしょうか。

実際に資産運用をしたいと考えていてもその商品選びで悩んだりしていませんか?今日は、その運用商品を選ぶ際の考え方をお話します。

まず、金融商品で資産運用をする場合には、以前の記事でもお伝えした通り、大きく分けて、

① 銀行系(定期預金・普通預金など)
② 証券系(株式・債券・投資信託など)
③ 保険系(終身保険・養老保険・個人年金など)

の3つに大別されます。

この中のどれで運用しても良いのですが、まずはご自分に合ったもので運用する事をオススメします。

 

2. 運用をプロにお任せできるのが投資信託

まず今日は、この証券系の中でも最近特に相談の多い『投資信託』に焦点を当ててお話をしていきます。

証券系の商品の中でも、投資信託以外にも株式や債券も有るのですが、これらをやるにはまずその銘柄や発行体の分析が出来なくてはなりません。
この記事では詳しくはお話しませんが、単なる分析の仕方にもあらゆる手法が混在しており、やはり相当なお勉強が必要になります。

そこで、個別の銘柄はどれがいいのか分からないから、運用をプロにお任せしようというのが投資信託になります。

この投資信託に投資をすると、あとはこの個別の銘柄選択(どの会社の株を買うのか、どの債券を買うのか、どの不動産を買うのかなど)はプロにお任せが出来るというものです。

もしプロにお任せせず、自分個人で運用した場合は、個人で持っている小口のお金(数万円単位・何十万円単位・何百万円単位)では、世界中の株式や債券や不動産などのあらゆるものに分散投資をするには金額が小さすぎてなかなか行う事が出来ません。

ですが、この投資信託という商品は、そう言った小口の投資家のお金をたくさんの人から集めて来る事で、何十億円、何百億円の莫大な資金が出来るわけです。その莫大な資金をプロにお任せして分散して運用するのが投資信託というものになります。

ですがこの投資信託、本当に全てプロにお任せ出来るのでしょうか。実はそうではありません。

 

3. 投資信託は運用を全てお任せ出来るわけではない

投資信託というのは、販売されている商品ラインナップは、なんと5,400種類も有ります。実はその一つ一つの投資信託は、何で運用されているのかが商品ごとに決められています。

例えば、
Aという投資信託は『日本の株式』で運用する投資信託。
Bという投資信託は『アメリカの株式』で運用する投資信託。
Cという投資信託は『新興国の債券』で運用する投資信託。
Dという投資信託は『先進国全体の株式』で運用する投資信託。
Eという投資信託は『日本の不動産』で運用する投資信託。
Fという投資信託は『金や原油などの商品』で運用する投資信託。

などなど、非常に色んな種類の投資信託が数え切れないほどたくさん有るのです。

これらの投資信託は、一つ一つの商品ごとに何で運用するのかは決められています

『日本の株式』で運用する投資信託は、絶対に日本の株式でしか運用しません。
『新興国の債券』で運用する投資信託は、絶対に新興国の債券でしか運用しません。

そりゃそうですよね?

投資信託の運用会社が、『アメリカの株式で運用するので、皆さんお金を預けて下さいね〜!』と言ってお金を集めているはずなのに、実は裏では中国の不動産で運用されていたりしたら、ビックリしますよね。笑

これは契約違反ですよね。ですので、投資信託というのは何で運用しているのかは、商品ごとに決められているのです。

ということは投資信託で運用するというのは、こんなにもたくさんの投資信託がある中で、どの国や地域のどんなもの(株式や債券や不動産など)で運用するのかは自分で商品を決めないといけないという事なのです。

こういった多くのラインナップがある中で、どの投資信託にするのかは自分で決めないといけないですし、また世界の情勢を見ながらその投資信託のままでいいのか、乗り換えた方がいいのかも考えながら運用していかなくてはならないのです。

というわけで、投資信託で運用するというのは、プロに全てお任せして、あとは放ったらかしという訳ではないのです。

 

4. 投資信託を選ぶポイント

投資信託も含めて、こう言った証券系の商品というのは基本的に価格が上がったり下がったりしながら、常にリアルタイムで変動しています。

少なくとも自分の投資している商品が、どの地域のどんなもので運用されているのかは最低限は把握しておく様にしましょう。(例:アメリカの株式、日本の株式、新興国の債券、先進国の不動産など。)
それを把握すること自体はそんなに難しいことではありません。

では実際にどんな投資信託を選べば良いのでしょうか。
投資信託には、大きく分けて、『インデックスファンド』『アクティブファンド』という二つに大別されます。

4-1. インデックスファンドとは

まずインデックスファンドというのは、あらゆる指標の中で決められた指標に連動する値動きを目指すファンド(投資信託)になります。

指標とは、例えば日経平均株価(日経225)とか、東証株価指数(TOPIX)や日本以外の世界中の先進国全体の株価の指標(MSCIコクサイ)やアメリカの代表的な株価指数(S&P500)などが代表例ですが、他にもまだまだたくさんの指標があります。

そういった各指標の中で、選ばれた指標に連動する値動きを目指すのがインデックスファンドになります。
ですので、日経225のインデックスファンドを選べば、投資した資金は日経平均株価と同じ様な値動きをしていきます。

4-2. アクティブファンドとは

一方、アクティブファンドというのは、運用方針に基づいて、その市場平均の指標を上回るパフォーマンスを目指すファンドになります。

例えば、日経平均株価を上回る事を目指したアクティブファンドは、日経平均よりも高いリターンを目指して運用してくれるファンドになります。

ですのでこちらのアクティブファンドは、このファンドに組み込む銘柄を一つ一つ調査・分析して、選ばれた銘柄で運用されているファンドになります。その読みが上手くいけば平均の指標を上回るパフォーマンスになりますし、逆に外れれば平均の指標よりも下落してしまうという事になるのです。

ですのでこのアクティブファンドを選べばインデックスファンドよりも必ず有利という訳ではありません。もちろん大きく損失が出る事もあるのです。

 

5. 投資信託にかかる2つの手数料

インデックスファンドは、あくまでも平均の指標に連動する様に運用されているので銘柄選択をしませんが、アクティブファンドは調査・分析をしながら銘柄を選んで投資をしているので、運用会社の手間がかかります。

ですので、インデックスファンドに比べてアクティブファンドはコスト(手数料)が比較的高く設定されているのが一般的です。この投資信託のコスト(手数料)というのは、販売手数料信託報酬になります。

5-1. 販売手数料とは

まず、販売手数料というのは購入時にかかる手数料になります。

例えば、Aというアクティブファンドを選べば、販売手数料が3%かかったとします。そうすると、100万円投資したら単純に3万円が手数料というわけです。

ですがこの販売手数料が無料という投資信託もあります。これを『ノーロード』投資信託と言います。

例えば、Bという投資信託を選べば販売手数料が無料(ノーロード)だったとすると、同じ様に100万円投資しても販売手数料は無料になります。

5-2. 信託報酬とは

一方、もう一つの手数料の信託報酬とは、運用をしていくための手数料なので、毎年かかるのが一般的です。

例えば、Aという投資信託を選べば、年2%の信託報酬がかかったとします。そうすると100万円有る残高(時価)に対して年間2%であれば2万円が年間にかかるのです。

ですが、これも手数料が安いものだったら、信託報酬が年0.17%などもあります。そうすると、100万円有る残高(時価)に対して年間0.17%であれば1,700円でよくなるのです。

 

6. 手数料だけでは判断できない

こういうお話をすると、手数料が安いものが良いファンドで手数料が高いものが悪いファンドと捉えられる方もいるのですが、これは一概には言えません!同じ種類の運用商品でリターンも同じなら、もちろん手数料は安い方が良いのですが、商品やリターンが違うとこの手数料だけでは判断出来ません。

例えば、Aというファンドは年2%の信託報酬がかかりますが、年9%のリターンが有ったとします。
その場合、それを差し引いた7%が投資家の利益になります。

一方Bというファンドは年0.17%の信託報酬ですが、3%のリターンであったとします。
その場合、投資家の利益は、それを差し引いた2.83%ということになります。

結果、手数料が高いAのファンドの方が利益が上がったという事になります。

ですので、この手数料が高いか安いかだけでは良い投資信託かそうでない投資信託かは判断出来ません。

 

7. インデックスファンドとアクティブファンドはどっちがいい?

この様に投資信託は、インデックスファンドとアクティブファンドの二つに大別されるのです。

ではこの投資信託ですが、インデックスとアクティブのどちらの方が良いのでしょうか。

アクティブファンドはインデックス(指標)を上回ることを目指しているのですが、実際にこの20年間や30年という永い期間を見て判断すると、アクティブファンドの中でこの指標を上回り続けているファンドは約2割ほどと言われています。

この2割のアクティブファンドをずっとこれから先、選び続けていけるならとても良いパフォーマンスが期待出来るでしょう。ですが何十年という長期間で見た場合は、残りの8割はインデックスの方がリターンが上がっていたという結果が出ています。

ではこの結果を見て、インデックスファンドが必ずしも良いファンドなのでしょうか。

実はこれも一概には言えません!

あくまでもこれらの結果は過去の例であって、これからの何の保障でもありません。有識者の中でもインデックスファンドが良くて、アクティブファンドがダメといった単純な論調をたまに見かけますが、実は全くそんな事はありません。

アクティブファンドも良いファンドを選べば、リスク(値動きの幅)がインデックスと比較して低く、さらにインデックスを上回るパフォーマンスを上げ続けているアクティブファンドも有るのです。

 

8. インデックスの種類もたくさん有る

また、インデックスにもとてもたくさんの種類の指標が有ります。

インデックスファンドで運用する場合でも日経225やTOPIX、S&P500やMSCIコクサイ、MSCIエマージングなどなど、こういった多くの指標の中でどの指標のインデックスファンドを選ぶのかも自分で選ばないといけないのです。

また、こう言った指標というのは、経済全体の動向や景気にも大きく左右されます。そしてその経済や景気は、各国のGDP成長率や金融政策、金利動向や為替、雇用統計、物価上昇率、人口動態などにとても大きな影響を受けます。

ですのでインデックスファンドを選ぶにしても、こう言った各種の統計や情勢を見て、どの指標が有利なのかを考えて判断していきましょう。場合によっては、人口動態や経済全体が縮小傾向の地域では、インデックスファンドを選ぶよりも地域や国によっては個別銘柄を選択する方がオススメな場合もあります。

 

9. 少しでもお勉強をしてみましょう

という様に投資信託という商品も、商品選び自体は自分でしなくてはならないし、すべて運用をプロにお任せして放ったらかしておくものではないという事は分かっておいた方が良いでしょう。

ですのでまず大前提として、この証券系(株式・債券・投資信託)で運用する場合には、定期的な値動きのチェックはある程度は必要になります。そしてその値動きをチェックするだけでなく、それらを理解・判断する知識やノウハウはある程度は有った方が、より良いでしょう。

資産運用は知識が無ければ出来ない訳ではありませんが、それが無いと成功する確率は低くなります。最低でも世の中のお金の流れ(市場の動きなど)は理解しておいた方がベターでしょう。

逆にこう言った基礎知識をある程度でも身につけておくと、成功する確率はグンと上がりますし、大きな損失から逃れられたりもします。

しかしこう言ったお勉強をしても、基礎知識やノウハウはいきなり身につくものではありません。少しずつ学びながら一つずつ理解していけば、いつの間にか身に付いていくものです。一度にすべてを勉強して、完璧になってから投資を始めようと思っていたら、いつまで経っても始める事は出来ません。

なぜなら資産運用の世界で、これだけ知っていれば完璧!というものは存在しないからです。

ファイナンシャルプランナーであり、個人投資家でもあり、さらに10年以上の運用を経験してきた私自身もまだまだ日々勉強勉強の積み重ねなのです。

資産運用の初心者の方や運用未経験の方も、まずはいきなり大きな額を一括投資するのではなくても、月々5,000円などの少額から積立投資で始める事だって出来るのです。リスクの低い初心者向けのものから少額で始めて、資産運用をやりながら一つ一つ肌感覚で覚えていくのが一番身に付いていきます。

お勉強されたい方、是非一緒に、お互いに学んでいきましょう!

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