なんでみんなお金に執着するのか。お金を持つ意味。

ファイナンシャルプランナー

皆さんこんばんは!
今年も皆さんのお役に立てる記事をどんどんアップしていきます。

今日は、ちょっとだけ哲学っぽいお話しです。

皆さんはなんでお金を稼ごうとしているのでしょうか。
皆さんはどうしてお金を貯めようとしているのでしょうか。
どうして皆さんはお金持ちに憧れるのでしょうか。

今日は頭を柔らかくして、そんなお話をしたいと思います。

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まず大前提として、私たちが普段たくさん儲けようと思っているお金は、実はただ単なる紙切れにすぎません。そのお金(紙幣)そのものが、生活の役に立つ訳ではありません。

正確に言うと、『紙切れ』にすぎないものを、『お金』として崇め奉っているということなのです。すごく哲学っぽくてイヤなんですが、なぜ単なる紙切れがお金として通用しているのか。。。

その理由は、他の人達がお金として受け取ってくれるからではないでしょうか?

ではなぜ他の人達はお金として受け取ってくれるのでしょうか?

それは、更にそれ以外の人達がお金として受け取ってくれるからという結論になります。これを経済学では、『一般受容性』(誰もが受け取ってくれること)と定義しています。

難しい学問のお話は抜きにして、こんな風に誰もが受け取ってくれるなど、信用がある間は無意識に誰もがお金に信頼を置いてくれます。

要するに、お金の存在意義は一般受容性に関する『信頼』にあるのです。その信頼がある間は、お金はすごく貴重なものとして扱われます。

料理人にお金を渡せば、美味しい食事を作ってくれます。
工務店にお金を渡せば、思い通りの家を建ててくれます。
運転手にお金を払えば、目的地まで運んでくれます。
洋服屋さんにお金を払えば、オシャレな洋服を着ることが出来ます。

お金を渡すという行為は、結局自分の意向に沿って他人を動かすためのツールだということも言える訳です。ただの紙切れがお金に変貌するという究極のマジックは、現代の錬金術だと言ってもいいでしょう。

世界の歴史を振り返ると、この錬金術の魅力に魅せられた者たちが、大量の紙幣を発行して、浪費の尻拭いをしたり、財政赤字を埋めようとしてきました。結果的に市中に大量のお金が出回るようになって、紙幣の信頼がなくなって、紙幣の価値が暴落します。

お金がただの紙切れになってしまいますから、物価は高騰して社会は大混乱です。

そういう中で、しょせんお金の信用は微弱なものだと気づいてしまった人は、紙切れのお金に頼るのではなく、『経済の実態に何らかの根っこを持っている資産を保有しておきたい』と考えます。

先ほどもお話した様に、元々お金を渡すという行為は、結局自分の意向に沿って他人を動かすためのツールだということも言える訳ですから、もしお金を渡さなくても他人が動いてくれるならそれでも良いわけです。

紙切れにすぎないお金を金庫で保有するのではなく、いざという時の協力者や、何かを作りたいと思った時に使える工場や、リーダーの指揮の下に正確に動いてくれる組織などを支配下に置いておきたいという考えになります。

それでは、いざという時に協力してくれる人たちや、何かを作りたい時に使える工場や、指示の下に正確に動いてくれる組織を自分の支配下に置くためにはどうしたらいいでしょうか?

答えは株式会社のオーナーになればいいのです。株式を買って発行済み株式の過半数を握ればいいんです。

株式投資をすればいいんです。

お金という紙切れが持つ弱さを保全するには、経済の実態そのものであるビジネス自体を所有するという方法があるわけです。その事実が分かれば、株式投資はリスキーだという思い込みに縛られなくてすむようになります。

株式投資の裏側には、従業員や工場や組織という実態を持っているビジネスがあるから安心できるという理解にたどりつきます。

一般的に皆さんが持っているイメージの、株式の利ザヤ稼ぎの短期の売買ゲームの感覚とは大きくかけ離れた、『ビジネスそのものを保有する』という感覚です。

お金を渡すという行為は、結局自分の意向に沿って他人を動かすためのツールだということを先ほどお話しました。

その考え方によれば、株式というものは株式会社を所有・支配するという行為によって、自分の意向に沿って他人を動かすためのツールだとも考えられるのです。

例えば、もし自分の友人が有力者ばっかりだったとしましょう。その場合、その有力者に頼むだけで自分の意向に沿って他人を動かせることになるかもしれません。そういう人なら、自分の欲望や夢をかなえるには財産形成よりも有力者との人間関係をもっと大事にしていくことが、必要になってきます。

そういう意味で、1億円の財産を築くのは何も投資だけではないのです。

1億円の財産と同じだけの影響力がある人脈を持つことでもいいでしょう。

私たちは、どうしてもお金にこだわってしまいがちですが、お金儲けが下手であっても人脈づくりで成功するかもしれません。投資がうまくいかなくても、親切な友人たちを持つことに成功すれば人生は豊かになります。

私はなにも、お金だけが全てではないといった、在り来たりのきれい事を伝えたいのではありません。

『お金』というものが持つ本来の意味やその価値や目的を理解すれば、なにもお金を貯める事だけが全てではないし、お金という手段ではなくても同じ目的は達成できるという事を伝えたかったのです。

経済学はお金の学問ですが、同時に、お金は紙切れにすぎないということも教えてくれます。

私たちはお金が紙切れになった時にも、人生と家族、財産を守れるように準備しておく必要があるんです。その方法には実にたくさんの選択肢が有るんですけどね。

というわけで、今日はちょっと哲学的なお話しになってしまいましたね。

この機会に皆さんもお金の持つ本来の意味を少し考えてみてはいかがでしょうか。

ではまた次回をお楽しみに!

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伊藤 尚徳

伊藤 尚徳

金融機関の事業資金融資の部署で8年間勤務した後、FP資格を取得して大手FP事務所に勤務し、その後独立した金融業界一色の専門家。 FPは一つの分野に特化していてはいけないと、幅広い相談が出来る様に独立系FP事務所、株式会社FPギャラリーを設立。 現在、大手上場企業7社と提携し、資産運用、住宅資金相談、保険、税金、相続・事業承継など、法人・個人含めてFP6分野全てで年間約600件以上のあらゆる相談を受けて問題を解決している。 また、全国各地でセミナーや各種講演なども行っており、非常に分かりやすい話し方に定評がある。家計の無駄を徹底的に省き、資産に残す提案を得意とする。

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