住宅(マイホーム)は本当に今が買い時??

不動産・住宅

こんにちは!
今日は、住宅購入に関してです。

ファイナンシャルプランナーという職業柄、FPギャラリーへは年間で約600件ほどの住宅相談が入ります。

まだ住宅を探し始めた初期段階の人から、既に契約した後のローン相談など、その方達のそれぞれの段階で、個々の不安を解消するためにあらゆる相談が入ってきます。

その中で今回は、

『住宅(マイホーム)は本当に今が買い時なのか?』

という、とても多い相談内容についてお話します。

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1. 今が買い時かを不動産会社に聞いても意味がない

マイホームの購入は、一戸建てを新築したい方から、マンションを購入したいという方まで様々なのですが、どちらを買うお客様からもこの『今が買い時かどうか』という相談はとても多い相談です。

戸建てでもマンションでもまずは、お客様は不動産仲介の会社やディベロッパー(不動産開発会社)、ハウスメーカー、工務店などなど色んな業者さんとお話をする機会が有ります。

よく有るのは、そのお客様が不動産業者さん達に、

『今、住宅って買い時なんですかね?』って聞く方がいます。

これ、よく考えてみてください。

不動産を売る事を事業にしている会社が、

『いやぁ〜、今は買わない方がいいですよ〜』
『買うなら今じゃなくて○○年後まで待った方がいいですよ〜』

って言うでしょうか?
そんなわけが無いですよね?

もちろん不動産会社の方は『今は買い時ですよ〜』って言うでしょうね。そうでないと不動産会社も商売にならないからです。当たり前のことですよね。

不動産会社は不動産を売って利益を上げているわけですから、これは何も不動産会社が悪いわけでもありません。

世界的な大物投資家でバークシャーハサウェイ率いるウォーレンバフェット氏は、『髪を切った方が良いかを床屋に聞くな』と言っています。これも当たり前のことですね。

ですが、これが不動産や金融商品になると、販売会社の言いなりになってしまう人がとても多いのです。不動産に限らず、銀行や証券会社、保険会社などの営業マンなどの言いなりになってしまう人が多いのです。

これはなぜでしょうか。

答えは簡単です。

判断基準となる知識が、圧倒的に不足しているからなのです。

では、今は本当に住宅は買い時なのでしょうか。

私の答えから言いますと、総合的に判断すると今は買い時と言えるでしょう(2018年10月現在)。

それはなぜかと言いますと。。。

その理由は、主に4つ有ります。

 

2. 今が買い時な5つの理由

① 金利が低い
② 物価がまだ上昇する可能性
③ 消費税がまだ8%(2018年10月現在)
④ フラット35Sが有る
⑤ 住宅ローン控除がある

理由を挙げるとこの5つです。

一つずつ簡単にお話します。

 

2-1. 金利が低い

住宅購入のタイミングを考えるのに、一番大きな影響が有るのは紛れもなく金利です。

今の日本は、金融緩和真っ只中です。

ここでは金融緩和の仕組みまで詳しくはお話しませんが、要するに今の日本は日本銀行が金利を低く低く押さえつけて調整している状態です。

日本の金利は今、過去最低水準まで下がっています(2018年10月現在、少しだけ上がりましたが)。住宅ローンを借りる人は、まず今の日本は異常なぐらい金利が低い事を認識しなくてはなりません。

例えば、今は銀行などの提携ローンを使うと、変動金利で0.4%台〜0.6%台のローンも有ります。

固定金利でも、フラット35(全期間の35年固定金利)を使うと2018年10月現在では1.41%というレートです。

この金利は過去数十年間の金利推移を見ると、異常なぐらいの金利水準かと思います。

では、例えばこの金利が、何年後かに上がったとしましょう。

金利が上がると、住宅ローンの総支払額にとても大きな影響を受けるのです。3,000万円の住宅ローンを借りるとすると、金利が1%違うだけで総支払額は約600万円も変わります

今、頭金が少ないから、5年後までに500万円貯めてから住宅を買おうと思って頑張って貯めたとしても、金利がたった1%上がるだけでその貯めたお金は全て金利で吹き飛んでしまう事にもなりかねません。

金利の推移は誰にも予測は不可能なものですが、たった1%上がるだけでもこれだけの大きな差が出るので、住宅を買うタイミングを考える際には、この金利上昇は考えに入れておいた方が良さそうですね。

 

2-2. 物価が上がる可能性

不動産価格も気になるところですね。

日銀は今、毎年2%の安定的な物価上昇を目指しています。

まだ現段階では、この2%は達成されていませんが、これが達成されて安定した2%の物価上昇が続くと不動産の価格も上昇していきます。

例えば、3,000万円の物件が単純に年2%物価上昇したとしたら、年間に約60万円の上昇になります。数年間頑張って貯めたお金は物価上昇で吹き飛んでしまう事にもなりかねません。

 

2-3. 消費税がまだ8%

ご存知の通り、2018年10月現在では消費税はまだ8%です。

安倍首相は先日、予定通り来年の10月に消費税を10%に引き上げる事を発表しました。8%から10%に上がると、不動産は単価が大きいので、このたった2%の差が大きな差になります。

まず土地の売買に関しては消費税はかかりませんが、建物にはかかります。

例えば、3,000万円の建物だったらその2%の差は60万円になります。60万円も違えば、キッチンはもう1ランク上のものに出来るかもしれませんね。

 

2-4. フラット35のSが有る

住宅金融支援機構のフラット35という住宅ローンでは、耐震性やバリアフリーや省エネ、長期優良住宅などの物件基準を満たすことによって『フラット35S』という一定期間の金利優遇を受ける事ができます。

2018年10月現在では、この優遇枠は0.25%有り、それが物件基準によって5年と10年の優遇期間が有ります。住宅ローンは借入額が数千万円と大きな金額になるのが一般的なので、これは非常に大きな金利優遇になります。

 

2-5. 住宅ローン控除がある

住宅ローンを借りている人は一般的には、借りてから10年間は毎年12月31日時点のローン残高に応じて所得税や住民税が安くなります。10年間で最大で400万円(長期優良住宅は500万円)の税金が安くなります。

もちろん収入やローン金額や期間によって差が出ますが、この控除は非常に大きな控除になります。

 

3. まとめ

現在の住宅購入には、この様な5つの大きな要素が有るのです。

金利の推移や物価動向、税制など今後の推移は明確には予測は出来ませんが、少なくとも今は、色んな優遇されたものが勢ぞろいしている状況で有る事は事実です。

例えば、今は頭金が少ないので住宅購入は諦めて、あと5年間で300万円の頭金を貯めてから住宅を買おうとしても、その頃には金利が上がっていただけで一生懸命貯めたお金は、金利で吹き飛んでしまうことになるかもしれません。

物価上昇や消費税や所得税などで、吹き飛んでしまう事にもなりかねません。

特に今は住宅ローン金利が低いので、頭金は多い方がお得とも限りません。まとまった貯金が有ったとしても頭金を出さずにローンを借りた方がお得になるケースも多いのです。

『マイホームは今が買い時か?』

と聞かれたら、先々の情勢が明確に予測出来ない限り答えは明確には出ませんが、少なくとも今は上記の5つが勢ぞろいしている状況なのは確かな事実です。

かといって、マイホーム購入に関しては金額も非常に大きくて、長期のローンを借りられる方もとても多いので、それぞれのご家庭が置かれた環境(家族形態や収入や貯蓄額など)によって判断が大きく変わります。

選ぶ住宅ローンの種類(変動・固定など)や頭金に出した方が良い金額、税金面などは、そのご家庭によって大きく変わりますので、総合的に判断しましょう。

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