新NISAの年間の限度額を超える投資は来年まで待った方がいいの?
こんにちは!
FPギャラリーです。
今日は新NISAについてです。
2024年に入ってからスタートしている新NISAの制度ですが、これだけニュースやSNSなどの各メディアで騒がれると今まで投資に全く興味の無かった人も、日常生活の中で嫌でも耳にするのではないでしょうか。
個人投資家の方にとって、新NISA(少額投資非課税制度)は非常に魅力的な制度です。
しかし、このNISAには年間の投資限度額が有るのですが、この年間の投資限度額を超えて投資をしたい場合はどうすれば良いのでしょうか。初心者の方にも分かりやすく解説します。
目次
新NISAの基本情報のおさらい
まず、新NISAについて簡単に説明します。
1. 非課税枠の増加:
新NISAでは、年間の非課税枠が大幅に増加し、投資可能額が拡大されました。
2. 両方の投資が可能:
2023年までの旧NISAでは一般NISAとつみたてNISAのいずれかを選択しなくてはならず、片方しか出来なかったのですが、新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠の両方の投資が可能になりました。
3. 投資期間が恒久的に:
旧NISAでは一般NISAが5年(最長10年)、つみたてNISAが20年という投資期限が有ったのですが、これが撤廃されて恒久的にNISAでの投資が可能になりました。
4. 年間投資限度額の拡大
新NISAには年間の投資限度額があります。
具体的には、つみたて投資枠では年間120万円、成長投資枠では年間240万円、合計で年間360万円が限度です。
この限度額を超えると、NISAの非課税メリットを享受できません。
限度額を超える場合の選択肢は?
年間投資限度額を超えて投資を行いたい場合、選択肢は以下の二つです:
1. 翌年まで待って、翌年の新NISA枠で投資する
2. 年内に特定口座で投資する
それぞれの選択肢について、詳しく見ていきましょう。
翌年まで待つ場合のデメリット
翌年まで待つことは一見合理的ですが、以下のようなデメリットがあります:
1. 投資機会の喪失:
市場が上昇している場合、投資のタイミングを逃してしまう可能性があります。
例えば、100万円を年間5%の利率で投資した場合、1年間で5万円のリターンが得られます。
これを翌年まで待つと、その5万円分のリターンを逃してしまうことになります。
2. 複利効果の遅延:
投資が遅れることで、複利の効果が減少します。早く投資するほど、複利の恩恵を受けやすくなります。
年内に特定口座で投資するメリット
それでは、年内に特定口座で投資することのメリットを見ていきましょう:
1. 早期投資の利点:
早期に投資することで、市場の成長を逃さずに済みます。
2. 複利効果の最大化:
投資を早めることで、複利効果を最大限に活用できます。
3. 税金の最適化:
特定口座であれば、源泉徴収されるため、税金の管理が簡単です。
特定口座の場合、税金はかかりますが、それは利益部分に対してであり、利益が出ていない場合は課税されません。
また、譲渡益税は20.315%と一定ですが、利益が出た分を再投資することでさらに資産を増やすことができます。
これを特定口座は税金が取られるからと、投資をせずにいたらその利益は得られない事になります。
具体的なシミュレーション
具体的な例で考えてみましょう。
– 新NISA枠: 年間360万円(積立120万円+成長240万円)
– 追加投資額: 60万円
– 期待リターン: 年利5%
翌年まで待つ場合
初年度は360万円を投資し、60万円を翌年に持ち越したとします。
初年度の投資額に対するリターンは18万円(360万円 × 5%)。
翌年に追加投資し、合計420万円(360万円+60万円)となります。
2年目のリターンは21万円(420万円 × 5%)。
合計リターンは39万円です。
年内に特定口座で投資する場合
初年度に360万円を新NISA枠で投資し、60万円を特定口座で投資します。
初年度のリターンは21万円(420万円 × 5%)。
2年目には420万円が複利効果で増えた状態で再投資されます。
2年目のリターンは22.05万円(441万円 × 5%)。
合計リターンは43.05万円となります。
この場合、NISA枠を超えた投資分に関しては、来年まで待つよりも特定口座で先に運用を始めた方が税金がかかったとしても有利になります。
投資信託の選び方
NISAでも特定口座でも、投資する場合、投資信託の選び方はとても重要です。
以前の記事にも書きましたが、以下のポイントに注意して選びましょう:
1. 手数料: 購入時手数料や信託報酬を確認しましょう。
2. 運用実績: ここ最近の実績だけでなく、過去数十年に渡る長期的な運用実績が安定している商品を選びましょう。
アクティブファンドの場合は、過去の実績が長期間に渡ってインデックス(指数)を上回っているかが重要な要素になります。(パフォーマンスだけでなくリスクの比較も重要です)
3. 資産クラスと期待値: 各資産クラスの運用の期待値を重視して、長期的にリスクを抑えながら出来るだけ期待値の高いと思われる商品を選びましょう。
結論
新NISAの年間投資限度額を超える場合、翌年まで待つよりも年内に特定口座で投資する方が賢明だと考えております。
早期に投資することで、投資機会を逃さず、複利効果を最大化することができます。
特定口座を利用することで、税金の管理も簡単になります。
ぜひこの機会に新NISAを最大限に活用し、あなたの資産形成にターボエンジンを取り入れてグングンと加速させていきましょう。
これからも、投資に関する最新情報やアドバイスを提供してまいります。
ご相談やご質問があれば、お気軽にお問い合わせくださいませ。
伊藤 尚徳
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