その法人税の節税対策、本当に大丈夫?【決算対策・生命保険編】

法人の対策

こんにちは!
今日は、よくある法人税の節税対策の大きな間違いについてお話します。

このブログを読まれている方の中には、ご自身で会社経営をしている方で、順調に業績が伸びて利益が拡大し、莫大な金額の法人税のお支払いをされている会社の経営者の方もいらっしゃるかと思います。

毎期毎期、決算が来る度に頭を悩ます高額な法人税

もちろん利益が出ているから法人税が高額になる訳ですが、そうは言ってもこれを抑えたくなるのが経営者の気持ちだと思います。

この記事を読んで頂いているあなたは、

『莫大な法人税の金額をどうにかして合法的に減らせないか』
『法人の節税対策をしたい』

などを考えておられるのではないでしょうか。

ここでは、とてもよく有る生命保険を活用した法人税の節税対策について、全く節税になってないケースがとても多く見られるので、その注意点をお話致します。

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1. 続々と開発される全額損金の保険商品

まず、法人税の節税対策で、保険を活用するというケースはとても多く有ります。

保険商品を活用した場合、商品の種類によっては支払う保険料の全部か一部を損金で落とせて、合法的に帳簿外に資金を貯めておける方法が有ります。これはもう一般的に周知されていて、とても王道の方法なので敢えて説明するまでもないかもしれませんね。各保険会社の長期定期保険や逓増定期保険、生活障害保険などなど、とても多くの商品があります。

以前は、法人で払った保険料は全額損金で、しかも一定期間払うと100%超え(単純返戻率)で返って来る様な夢の様な保険がバカ売れしていた時期が有りました。

ですがその後は幾度にも渡る税制改正によって、全額損金が認められなくなったり、2分の1損金に改正されたりして来ました。もう全額損金の保険が無くなってしまったと思っていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。

ですが、全額損金の生命保険は今でも有ります

と言うよりも保険会社各社から今また、傷害保障重点期間設定型の保険など、どんどん全額損金の新商品が発売されてきています。

 

2. 全額損金の保険商品の簡単な仕組み

さてその全額損金の商品、果たして本当に節税になっているのでしょうか。

全額損金の保険商品で節税をしている場合、払った保険料は全額損金計上ですので、もちろんその分利益が圧縮され、支払う法人税の金額が下がるので、税負担は下がります。

例えば、3,000万円の利益が出ているとすると、本来はこの金額に対して法人税がかけられます。
ですが、同じ3,000万円の利益が出ていたとしても、年間保険料1,000万円の全額損金の保険商品に入っていたとしたら、この3,000万円の利益から1,000万円が損金として計上され、2,000万円に利益を圧縮する事ができます。

そうすると法人税が安く抑えられるというものです。ご存知の方からすると当たり前のお話ですね。そしてこの保険商品では、解約した場合にある一定の金額の解約返戻金が戻ってきます。

これは例えば、支払った保険料に対して7年後に約80%の返戻金が有るものだったとすると、解約返戻金は『年間保険料1,000万円×7年間×80%=5,600万円(解約返戻金)』が戻って来る計算になります。

これだけを見ると、支払った累計保険料に対して7年後に約80%(単純返戻率)しか戻って来ない訳ですが、その保険料を支払っている間、全額損金に算入出来る事で節税出来たとしたら、その80%に目減りした金額以上に法人税が安くなっているという仕組みです。
そうすると、減税されたその税効果も含めると、実際に支払った累計保険料の金額に対して約120%などの返戻率(実質返戻率)になり、法人としてはお得になったというものです。

ここまでは、よくあるお話で実際にそれをされている方や、現時点で提案を受けられている方も多いでしょう。

ですがここで要注意です。

この戻って来た解約返戻金の経理処理はどうなるのでしょうか。

 

3. 解約時には経理処理が必要

実はこれ、全額損金で支払った保険商品を解約した場合に、戻って来た解約返戻金は益金になるのです。これは全額損金の商品に限らず、2分の1損金も解約返戻金の一定額は益金になります。

ということは、先ほどの全額損金の商品の例で戻って来た解約返戻金5,600万円は、その解約した期の益金として法人税の課税対象になるのです。せっかく全額損金で処理をして帳簿外に貯めてきた資金は、それを解約して戻って来た際に結局課税されてしまうのです。(2分の1損金は一定額)

返戻率の一番高い時期のピークを7年目に迎える商品なら、そこで解約しないとその後は目減りしていくので、使い道がなくてもそこで解約する事になるのですが、結局その戻って来る資金(解約返戻金)が益金になり、課税対象になるという事なのです。

という事は今払うのか後で払うのかというだけの事ですね。

結局、税金の繰り延べにしかなっていなかったというケースは本当によく見られます。

 

4. 払い済みにした場合は?

ではこれを払い済みにすればいいという方もいらっしゃいます。

払い済みというのは、解約はせずに、その後の保険料も支払わずに、今まで払った保険料だけで一定保険金額の保険に変更する制度です。こうすると、今後の保険料は払わずに解約返戻金を残す事も出来ます。

ですがこの払い済みという方法は、法人契約の保険では、払い済みにした時に経理処理が必要になります。

全額損金の保険で支払った契約を払い済みにする場合は、結局、解約返戻金額相当額を益金に計上しなくてはならないのです。(2分の1損金は一定額)

結局、解約せずに払い済みにしたとしても、法人税の課税対象になってしまうのです。

では、どうすればいいのか。。。

 

5. 出口対策が絶対に重要

これは全額損金の商品に限った事ではありませんが、保険で合法的に節税対策を考える場合は、それを解約した際に戻って来る解約返戻金を、更に何か別の大きな損金で落とせるものが有れば、それに充当する事で相殺する事が可能になります。

例えば、
● 役員や従業員の退職金
● 設備投資(設備の種類による)
● 従業員の増員
● 赤字の穴埋め
などがそれに充たります。

先ほどの例で、5,600万円の解約返戻金が戻って来たとしても、それをその期のうちに退職金や設備投資、人件費の増額、赤字の穴埋めなどに充てられれば、結局その金額は損金として支払ってしまう事が可能になります。

要するに、保険で節税を考える際には、全額損金でも2分の1損金の商品でもそれを解約した際の解約返戻金の益金分を相殺するだけの損金で落とせる何らかの計画が有れば良いという事です。

生命保険での節税対策は、全額損金の商品でも2分の1損金の商品でも、この出口対策が絶対に必要なのです。せっかく生命保険で節税したのに、解約して戻って来た際に結局課税されていては全く意味がありません

保険会社各社で、また全額損金の新商品が続々と開発されている中で、保険営業マンの中には、とにかく『今期の法人税を安くしましょう』という単純な提案をしている人も多く見かけますが、絶対にこの出口対策はしっかり考えてくださいね。

解約した際に戻って来た解約返戻金を、更に損金で吐き出せる何らかの計画を立てましょう。

と言うより本来は、節税のために何らかの出口を考えるというよりもむしろ逆で、本来は、何らかの将来の大きな出費(退職金や人件費など)や事業投資(設備投資)をするための大きな資金準備計画を、貯金ではなく損金性のある保険で積み立てれば、節税が出来たという流れが自然でしょう。

 

6. 税制改正のリスク

また、最近こう言った全額損金の保険商品を大手保険会社がどんどん開発して市場が加熱している中で、国税庁や金融庁がそれを問題視してきています。現時点では全額損金でも、将来的な税制改正リスクもあります。目先の法人税の節税だけでなく、こう言った視点で包括的に検討していきましょう。

というわけで今日は法人税の節税対策についての注意点をお話ししました。

既に出口対策を考えずに生命保険に加入してしまった方や、これから生命保険での節税をお考えの方は、是非一度お気軽にご相談ください。(無料相談)

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