相続法が約40年ぶりに改正!相続が大きく変わります!!

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皆さんこんにちは!

早速ですが2018年7月、約40年ぶりに相続法が改正され、今後の相続について大きく見直されることとなりました。今回相続法の改正にあたって押さえておくべきポイントを、いくつか分かりやすく解説していきますので是非ご覧ください!

相続については、自分には関係ないと思っていらっしゃる方も多いでしょうが、いつかは向き合わなければならないことでもありますし、ある日突然にということもあります。

相続法が改正されたこの機会に、ご自身の相続についても一度考え直してみましょう。

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1. 遺言制度に関する見直し

皆さん、遺言はご存知ですよね。遺言とは、亡くなった方が自分の財産について残した意思表示のことです。

一般的な遺言書には、
「自筆証書遺言」
「公正証書遺言」
「秘密証書遺言」
の3種類があり、目的や状況に合わせて自分に合った遺言書を作成することができます。

今回の改正では、その中の1つ「自筆証書遺言」について改正がありました。

1-1. 遺言の全文を手書きする必要がなくなった

自筆証書遺言とは、その名のとおり全文を全て自分で書いて作成する必要があります。その方がお亡くなりになって遺言書の効力が発生したときに、全文を自筆してあることで「自分の意志で遺言を残した」という信憑性を高めるために全文自筆と定められました。

しかし全文を自筆するというのは、思っている以上に手間がかかります。

預貯金の口座番号、金額、不動産の詳細、誰にいくらずつ相続させるなど、長文にもなりますし書き間違いの原因にもなります。

そのため遺言書作成を先延ばしにして作成せずにそのままお亡くなりになったり、遺言書の中身に口座番号や地番の間違いがあって遺言執行が出来ない、などのケースがあり相続争いの原因となる場合もありました。

このような問題を解決する、また全文自筆の負担を軽減するために、今回「自筆証書遺言」について以下のように改正されました。

【改正前】すべての部分を自筆しなければならなかった
【改正後】財産目録については自筆不要

改正前は全文を自筆する必要がありましたが、改正後は財産目録については通帳のコピーや登記事項証明書、財産リストをパソコン等で作成して添付しても良いことになりました。

しかし自筆不要なのは財産目録のみです。また添付する目録全てのページに署名・押印が必要となりますので、今後自筆証書遺言を作成される方は内容をきっちりと把握しておきましょう。

1-2. 遺言を法務局が保管してくれる!

また自筆証書遺言については、保管制度も改正となりました。

【改正前】自宅や貸金庫などに、自己責任で保管しなければならなかった 
【改正後】法務局に遺言書の原本を委ねることができる

今までは、自筆証書遺言を公的機関で保管する制度は無く、自己責任で保管しなければなりませんでした。そのため相続の時点で見つからなかったり、複数の遺言書が発見されるなどトラブルの原因となる場合もありました。

このような問題を解決するために、改正後は法務局にて自筆証書遺言を保管することができるようになります。

また法務局は単に遺言を預かるだけでなく、遺言が法務省令で定める様式に合っているか、相続人などの請求に応じて遺言の内容や保管証明書の提供などの手続きもしてくれるようになります。これで書いても見つからなかったらどうしようと思うことなく、確実に遺言を残すことができそうですね!!

また自筆証書遺言は家庭裁判所にて検認手続きが必要になりますが、法務局で保管されていたものに関してはこの検認手続きも不要となります。遺言書の内容を確認できれば、すぐに相続手続きが可能となります。

※保管制度は2020年7月施行となります。それ以前に法務局に遺言書を提出しても保管してもらえませんの、ご注意ください。

 

2. 遺留分制度に関する見直し

皆さんは遺留分(いりゅうぶん)という言葉をご存知でしょうか。

遺留分制度とは、遺言による遺贈や生前贈与により特定の人にだけ財産が残された場合、一定の法定相続人に限っては最低限財産を受け取る権利を主張することができる制度です。

例えばご主人がお亡くなりになった場合、妻と子に遺産相続権があったとします。しかし遺言により、ご主人が全ての財産を愛人に遺贈してしまったら、妻と子はご主人の遺産を相続することができなくなってしまいます。このような時に、妻と子が主張できるのが「遺留分」です。

今回の相続法改正では、この遺留分についても見直しが行われました。

2-1. 遺留分を金銭で返してもらうことができるようになった

相続をする財産の内容というのは、預貯金、不動産、株式、投資信託、ゴルフ会員権など実に様々です。そのため遺留分の返還方法を決める際には、その計算がとても複雑になってしまうという問題がありました。

例えば遺留分を侵害している対象が不動産だった場合、現行法の下では遺贈された財産そのものを返還する現物返還が原則で、遺留分権利者は金銭で支払うよう請求することはできませんでした。(※現物で返還するか金銭を支払うかは、相手方が選択できる)

しかし改正後は、金銭請求に一本化されることとなりました。

【改正前】遺留分権利者は金銭で支払うよう請求することができず、現物返還での請求が原則(※返還を現物か金銭かにするかは、相手方のみ選択できる)→
【改正後】遺留分権利者は、侵害された額に見合う金銭を請求することができる

金銭請求に一本化されることで、不動産などをめぐる複雑な共有関係も生じなくなり、後々まで問題が残る恐れもありません。遺留分権利者は、今までよりも権利を主張しやすくなるかと思います。

2-2. 相続人への生前贈与は10年前までの財産が対象

また遺留分が侵害されているかどうかというのは、遺留分算定の基礎となる財産の範囲を把握する必要があります。

財産の全体像が分からないと、どのくらい遺留分が侵害されているのか分かりませんよね。実は「遺留分算定の基礎となる財産」というのは、ここからここまでというのが法律で決められています。

今回はこの遺留分の算定方法についても、見直しが行われました。

遺留分算定の基礎となる財産 = 被相続人が有していた財産 + 生前贈与した財産 - 債務
生前贈与について・・・
【改正前】相続人に対する生前贈与は、全ての期間の贈与を参入 →
【改正後】相続人に対する生前贈与は、相続開始前の10年間の間に贈与されたものに限り参入

ちなみに相続人以外の第三者に対する生前贈与については、原則として相続開始前の1年間になされた贈与に限られます。

今までは、大昔の贈与についても遺留分算定の基礎となり、遺留分算定の基礎となる財産の範囲が大きく変わってしまうケースもありましたが、今回の改正により過去10年以上前の相続人に対する贈与については、遺留分の対象に含める必要がなくなりました。

 

3. 配偶者居住権の創設

これは相続にて、配偶者を優遇する制度になります。

これまで相続において、残された配偶者は遺産分割の関係から住みなれた家を手放さなければならなくなったり、家を財産として受け取ることで現金を受け取ることが出来なくなってしまう、などの問題を抱えていました。

この配偶者が抱える問題や残された配偶者の高齢化に対応し、住まいや生活資金を確保することを狙いとして配偶者居住権が創設されました。

3-1. 残された配偶者は自宅も預金も相続することができる?

配偶者居住権とは、簡単に言うと相続が発生したときに、配偶者が被相続人の所有する不動産の居住権を獲得することが出来る権利です。この法律は現行法にはなく、改正によって新たに創設された権利になります。

皆さんに質問です。
例えば、万が一ご主人がお亡くなりになったら、奥様がご主人の持ち家に住み続けたい場合はどうしたらいいでしょうか。

通常でしたら、ご主人の持ち家を奥様が相続する、という流れになるのですが、例えば家の価額割合が遺産総額の大半を占める場合、持ち家を相続する奥様は他の相続人に対して代償金を支払わなければならないケースがあります。(子が代償金を支払わなくていいと言った場合は不要)

例えば相続人が妻と子のケースで、遺産総額が8,000万円、家の価額が6,000万円だったとします。

妻と子の法定相続分は2分の1ずつですので、8,000万円 × 1/2 = 1人あたり4,000万円ずつ相続をすることになります。

遺産総額 8,000万円(預貯金2,000万円、自宅6,000万円)
相続人は、(1/2): (1/2)
法定相続分は、 4,000万円 : 4,000万円 ずつ相続をする。

この場合、奥様が自宅を相続する場合には、通常でしたら子に2,000万円(家の価額6,000万円 - 妻の法定相続分4,000万円)の代償金を支払わなくてはなりません。逆に言えば2,000万円の代償金を支払わなければ、奥様は自宅を相続できないのです。

妻が自宅(6,000万円)を相続すると、
6,000万円 : 2,000万円
子の相続分が2,000万円少なくなる!!  妻は、子に現金で2,000万円支払わなければならない

残された奥様は、今後のご自身の生活もありますし、いきなりこのような大金を準備するのはなかなか難しいかと思います。かと言ってご自宅を売却して資金を準備するというのも現実的ではありません。

しかしこのような場合でも、今回施行される『配偶者居住権』を活用すれば、原則としてその配偶者が亡くなるまでの間、無償でその家に住み続けることができるようになります。

これはどういうことかと言うと、まず自宅については「不動産所有権」という一つの権利で相続せずに、「配偶者居住権」と「負担付所有権」という二つの権利に分けて相続をするようにします。

そうすることで、配偶者居住権は負担付所有権よりも限定された利用権になるので(自宅を売却したり賃貸にしたりすることはできない)、不動産所有権を一つで相続するよりも評価が低額となり、結果的に配偶者を保護することができます。

配偶者居住権を活用することにより、自宅(6,000万円)が
配偶者居住権 2,500万円 : 負担付所有権 3,500万円 とすると
 配偶者居住権2,500万円 + 預貯金1,500万円 → 4,000万円
 負担付所有権3,500万円 + 預貯金   500万円 → 4,000万円 

この配偶者居住権を活用することにより、残された高齢の配偶者は住みなれた家で生活を続けながら、その後の生活資金も確保できるようになります。

※配偶者居住権は、遺言による贈与または遺産分割により取得する必要があります。

3-2. 遺産分割が済むまでは無償で自宅に住むことができる!

この法律も今回新たに創設された権利になります。

配偶者短期居住権とは、相続開始時に被相続人の持ち家に住んでいた配偶者が、遺産分割が済むまでの一定期間その家を無償で使用することが出来る権利になります。

原則として、一定期間とは以下のいずれか遅い日までの間になります。

・ 遺産分割により、その家を相続する人が確定した日
・ 相続開始時から6ヶ月を経過する日

またその家の所有権を得た者は、配偶者に対していつでも配偶者短期居住権の消滅申入れをすることができますが、申入れから6ヶ月を経過するまでは、配偶者が引き続きその家に住むことが出来ます。

※配偶者短期居住権は相続により当然に発生するため、遺言などで前もって定めておく必要はありません。

 

今回約40年ぶりに相続法が変わるということでしたが、いつ誰の身に起こるか分からないのが相続です。

弊社では、相続に関するご相談をお受けすることができ、具体的な税額計算や申告業務については提携の税理士をご紹介することも可能です。この機会に一度、ご自身の相続について考えてみてはいかがでしょうか。

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