相続対策、子供にどんな資産を残すのがいい?

事業承継

こんにちは!
今日は、後世に残す資産の種類(相続財産の種類)についてお話しします!!

さて、お子様にはどんな資産を残すのが一番有利なのでしょうか?

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実際に相続が起きたら何から手続きすればいい?

 

1. 日本では相続財産は不動産が圧倒的に多い

相続の遺産に含まれるものは、不動産、現金、預貯金、保険、債権(債券)、株式・出資持分、動産、債務などです。その中でもよく、日本人の相続財産は不動産が多くを占めると言われています。

あるデータに基づいてお話ししますと、国内で実際に相続された財産の割合を表したら。。。

・ 田         3.6%
・ 畑         6.0%
・ 宅地        33.2%
・ 山林        0.9%
・ その他の土地    4.2%
・ 家屋・構築物    5.0%
・ 事業(農業)用材  0.5%
・ 有価証券      15.8%
・ 現金・預貯金等   20.6%
・ 家庭用財産     0.1%
・ その他の財産    10.2%

という結果になっていました。

田、畑、宅地、山林、家屋など、その他の土地などの不動産だけで52.9%と半数を超えています。
一方、金融資産の合計は36.4%になっています。

このデータを見ると分かる通り、相続財産の中で圧倒的に不動産の割合が多いのです。

 

2. 三つの相続対策

以前にもお話しましたが、相続対策と一言で言っても大きく以下の3つに分かれます。

① 分割対策
② 相続税対策

③ 納税資金対策

に分かれます。
要するに分かりやすく言うと、

もめない分け方の方法
相続税を安くする方法

相続税の資金準備の対策

のことです。

もめない分け方と相続税を安くする対策は別の問題なのです。

 

3. 不動産の割合を大きくするともめやすい

例えば相続税の計算をする際に、土地は一定の用途と基準を満たせば、一定範囲までは80%の評価減ができるので、その基準に合った土地で資産を持つと相続税を大きく抑えることが出来ます。

しかし、分割(分け方)の面で考えると必ずしも得策とは言えません。

なぜかと言いますと、例えば極端な例で、1億円の財産を兄弟3人で分けるとしましょう。その遺産のうち不動産が8,000万円で金融資産が2,000万円だったとしましょう。

相続が起きた際に、これをどうやって兄弟3人で分けますか?

不動産を長男がもらい、金融資産の2,000万円を次男、三男で1,000万円ずつで分けますか?
この場合、当然次男や三男は納得しないでしょう。

そうかと言って、不動産も平等に3分の1ずつの共有名義にしますか?

これだと、後々一人がお金が必要になって売りたいとなった場合に、物件売却には共有者全員の同意が必要になります。勿論、共有名義の持分だけ売却することは可能ですが、誰もそんな持分だけを買う人はいません。

また、共有名義にした場合に、この相続した兄弟が亡くなった場合は、更にその子供達へ持ち分が分かれていき、共有者がどんどん増えて収拾が付かなくなります。

ではどうしたらいいのでしょうか?

こういう場合に相続対策として考える基本は、代償分割交付金です。

長男が不動産をもらう代わりにそれに見合ったお金を用意するのです。長男が不動産全てを相続するのなら、その代わりにそれを分ける金額に見合ったお金を事前に準備して次男、三男に支払いましょうというものです。

このように80%の評価減ができるからといって、ただ単に不動産を増やせばいいというものではありません。

相続は税金面だけでなく、遺産分割(分け方)の問題など総合的に考えて対策を練りましょう!

 

4. 隠れた負の遺産

付け加えると相続には『負の財産』と言って、借金・債務も相続することになります。これに対しては、その金額によっては相続放棄や限定承認という方法で、全部か一部を放棄することも出来ます。

ただし注意点が1つ、分かりにくくて見落としがちなのが保証債務です。

これは亡くなった方が保証人になってる分も債務ですので、負の遺産の相続の対象になるということになります。

これは発見が難しい点と、債務不履行にならない限り、債務残高が確定しないということが問題なのです。

本来の自分自身の債務なら相続税の計算時に、プラスの遺産額から債務残高分を控除出来ますが(債務控除)、保証債務は支払うことが確定していないのでそれが出来ません。ですので、その分位は生命保険等で準備するのも良いでしょう。

といった感じで、これらは相続対策の中のほんのごく一例で、一言で相続対策と言ってもとても多くの対策が有るのです。

日本の相続税は世界有数の高税率のため、1つ間違えれば多大な相続税を支払うことにもなりかねません。

以前もお話しましたが、専門家(税理士)の中でも相続に特化した先生もいらっしゃれば、相続案件を全くやったこともない税理士もいらっしゃいます。相続に精通した本当の専門家に相談して、適切なアドバイスを受けるのが良いでしょう。

株式会社FPギャラリーではこういった税理士との合同セミナーや提携事業により、相続に特化した対策なども行っています。

あなたが今置かれた状況の中で、もし気になる事など相談等ございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

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伊藤 尚徳

伊藤 尚徳

金融機関の事業資金融資の部署で8年間勤務した後、FP資格を取得して大手FP事務所に勤務し、その後独立した金融業界一色の専門家。 FPは一つの分野に特化していてはいけないと、幅広い相談が出来る様に独立系FP事務所、株式会社FPギャラリーを設立。 現在、大手上場企業7社と提携し、資産運用、住宅資金相談、保険、税金、相続・事業承継など、法人・個人含めてFP6分野全てで年間約600件以上のあらゆる相談を受けて問題を解決している。 また、全国各地でセミナーや各種講演なども行っており、非常に分かりやすい話し方に定評がある。家計の無駄を徹底的に省き、資産に残す提案を得意とする。

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